のあっく自然学校

 

「ほんまもん体験」ができる

 

のあっく大阪校、兵庫校、岡山校と3つの拠点で活動を続けている、のあっく自然学校。

この夏だけでも20回近くのキャンプを実施しています。

パラグライダーに乗ったり、秘密基地をつくったり、琵琶湖を一周したり…と

子どもの好奇心を引きつける非日常なプログラムがたくさん。

 

そんな自然体験を通して、多くの子どもたちに『生きる力』を伝えている、

のあっく自然学校の『想い』と『魅力』を紹介します。

 

 

■ 原点は○○

「実は、僕が幼少期の5歳頃からスイミング教室が実施する野外活動に参加していたんですよ。

大学時代は、勉強もせずキャンプ漬けの日々でした。

大阪府内の野外活動センターでスタッフとして活動をしていたんです。

大学に行ったとしても立ち寄ったのは食堂ぐらいかな(笑)

今でこそ学生がボランティアとして多くかかわっていますが、

当時はこういったボランティアが珍しく、

むしろ求人情報誌で募集されるようなアルバイトだったんですよ。

あとこの頃、カナダと日本を往復し、1年半スキーのインストラクターとして修行もしていました」

 

と語る代表の高井さん。

 

自ら、幼少期から野外活動を通じて、楽しさ・面白さ・厳しさを経験したからこその

プログラム展開なんですね。

 

「あと、運送会社のアルバイトもしていて、その頃が一番稼いでたかなぁ。

実は高校時代の夢は、社長になってベンツに乗りたかったんですよ(笑)」

 

体が大柄な高井さん。

話しながら伝わってくる雰囲気も大らかですが、夢も豪快だったようです。

 

「大学卒業した後、どうしようかなぁ~って時に、

運送会社の社長に『一回社会に出てこい!』って言われて紹介されて就職したのが

血液検査した後の血液を回収する仕事で…

面白くないし、やりたいことでもなくて2日で辞めたくなりましたよ。

でも、紹介してくれた社長にも申し訳ないし、その後も続けて働きました。

そうこうしてると、学生時代に活動していた野外活動センターから連絡があって

市職員としてセンターで働いてみないか?とお誘いをいただいたんです。

それで、また野外活動にかかわることになったんです」

 

様々な経緯を紆余曲折されて、結局は野外活動に繋がっていく。

やはり高井さんは『自然体験』にたずさわる運命だったようです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(のあっく自然学校 理事長 高井啓大郎さん)

 

 

「その後、若干26歳で野外活動センターのセンター長になったんです。

でも… そこでの体験活動は、

様々な制約があって施設外に出て体験するのなんて出来なくて。

施設内での活動は大人が用意した『疑似体験』が多くて…。

やっぱり、子どもに『ほんまもん体験』をさせたい!っていう気持ちが強くなって、

仲間4人と一緒に、のあっく自然学校を立ち上げたんです」

 

静かな話し口調ながらも、熱い想いが込められた言葉が続きます。

 

 

■ 大阪の子どもと岡山の子どもはよくケンカする?!

冒頭にも説明した通り、大阪校・兵庫校・岡山校と3か所に拠点があります。

『ほんまもん体験』にこだわり、

岡山校は岡山県津山市にある築130年のかやぶきの古民家を購入。

四季折々の自然を感じながら、年間を通じての体験プログラムを展開しています。

 

最近の子どもの特徴で何か気づくことは?

 

「3校合同のキャンプをした時に、大阪と岡山の子どもがよくケンカするんですよ。

特に大阪市外の子と、岡山県の津山市の子が多いかな」

 

「どちらの地域も方言が強いから、

話をしていたら怒っているように聞こえるみたいなんです。

で、ケンカするんですけど…その分、ケンカ後にすごく仲良くなるんですよ」

 

「キャンプ後も手紙でやり取りしてたり…

『来年は○○キャンプに参加しよなぁ~』という約束をする子もいますよ。

子どもって、生活範囲が限られていますよね。

だからこそ、こういう機会にいろんなところに新しい友だちをつくって、

コミュニティの枠を広げてほしいんですよ」

 

のあっく自然学校のキャンプは友達同士の参加があっても同じグループにはなりません。

『新しい友だちをつくる』=『新たな繋がりを作る』ことでコミュニティの枠が広がるんですね。

でも、いきなり一人で参加するのは難しい…という子もいます。

キャンプ初級者の子どものために、友達同士でも同じグループになれる

『はじめてのキャンプ』を実施しているのです。

こうした対象に応じて段階を設けているところが、リピーターにつながるのでしょう。

 

 

■ 徹底した安全管理の中に

野外で行うキャンプには、危険な部分もあると思います。

のあっく自然学校ではどんな安全管理体制なんでしょう?

 

「キャンプ参加者には事前に保護者説明会を実施しています。

プログラム内容、対応職員の紹介、食事内容、現地の写真なんかを

パワーポイントを使って説明しています。

ちなみに、うちの説明会は1時間なんですけど、そのうち40分が自団体の説明をするんですよ。

すべてのキャンプに共通する私たちの活動理念や基本方針を特に知ってほしいんです」

 

そんなスタッフの説明会はわかりやすく、参加者や保護者を安心させます。

この日も保護者説明会をしてきたというスタッフの梶山さんと小見山さん。

お二人とも20代の若いスタッフ。

 

カメラマンの「高井さんと梶山さん、微妙に距離間ありませんか??」という声に

「仲悪いんですよ~」とふざけながら話すお二人。

でも、実は…しょっちゅうスタッフ間で飲み会をするそう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

(左から順番に、小見山さん・梶山さん・高井さん)

 

 

プログラムだけでなく、活動理念やスタッフの紹介を事前に伝えておくことが

安全や保護者理解にも繋がるんですね。

また、のあっく自然学校の全スタッフは救急救命法はもちろん、

事前にリスクを回避するリスクマネジメント、ホームシックなどのメンタル面にも

対応できるように、様々な研修を行っているとのこと。

スタッフの方々の念入りな安全管理やきめ細かい気配りが、のあっくファンを増やしているようです。

 

「あとは、遠くからでも、のあっくのキャンプに参加していることがわかるように、

全参加者に対して帽子をお配りしているんです」

 

「全てのキャンプが4歳から参加できるんですけど、

4歳~中学生までが同じグループになって生活を共にします。

グループの中で、上の子が下の子のフォローをする役割になるんです。

その時にも、配布した帽子が役立つんですよ」

 

「帽子は4歳~小学校2年生までが赤色、小学校3年~5年が黄色、

小学校6年以上が青色という感じで色分けをしてるんです。

だから色を見て、どの子が下の学年かわかるようになっています。

指導者も子どもの対象年齢によって接し方を変えられるようにしてるんですよ。

赤色は危険、黄色は要注意、青色は安全っていう感じでね」

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まるで信号!でも自然と助け合いが生まれ、わかりやすい仕組みです。

安全に留意し、それを子どもの成長に繋げている、そんな印象を受けました。

 

「他にも、バス会社も選定してるんです。

今は基準をクリアしている2社しか使わないんですよ」

 

社内規定が厳しくちゃんと遵守されているかや、

子どもへの接し方や対応など、細かな基準設定があるそう。

少し金額が高くても、徹底して安全や対応面を重視されているようです。

 

そんな、のあっく自然学校だからこそできる大胆なプログラムもあるようです。

 

 

■ これぞ「ほんまもん体験」プログラム

のあっく自然学校のスキースクールは本格的。

国内でのスキースクールだけでなく、本場、カナダでのスキースクールも実施されているそうです。

 

「うちでやっているスキースクールに来る子どもたちはすごいよ。

のあっく検定ってやってるんだけど、1級は大人のスキー検定1級でも通用するぐらいのレベル。

ただ単に滑って楽しかった!で終わるだけじゃなくて、

確実に滑れるようになってほしいから、

名前も『スキーキャンプ』じゃなくて『スキースクール』にしているんです。

指導方法も、技術だけじゃなくて、

子どもたち自身が自分で自分の身を守ったり安全管理できるよう伝えています。

夜は室内で滑る時の姿勢や足の使い方を練習したりしてますよ」

 

カナダでのスキースクールはいつ始まったんですか?

 

「2年前からです。1年目は募集のための広報は全くしてないんです。

というか、僕がカナダに行きたいなぁ~と思ったことがきっかけで(笑)

スキースクールのメンバーに、軽くそんなことを話してたら…

実際にメンバーから「いつやるんですか?」の質問があって。

その時に「5人集まったらやります…」と答えたら、本当に口コミで6人集まっちゃったんです。

帰ってきて活動報告をしたら、その次の年は13人集まりましたよ」

 

「現地ではドミトリーに宿泊するんだけど、料理も自分たちでしなくちゃいけないし、

もちろん食材自体も現地調達しないといけないんです。

だから、行くまでにどんな料理を作るか子どもたち自身が考えてくるんだけど…

日本と売ってる品物も量も違うからカルチャーショックを受けるんです。

だって、牛乳なんか4ℓからしか売ってないんですよ?!

スキーの技術だけじゃなくて、『価値観が違う』ことも経験してほしいんです」

 

技術面だけでなく、様々なことを『ほんまもん体験』しているスキースクール。

もちろんスキーの指導方法も日本の学校が行うスキー指導とは全く違う様子。

 

「カナダのスキー場って日本のスキー場みたいに

整備されたところだけを滑るって感じじゃないんですよ。

だから天候を知ったり、どういう時に雪崩が起こるかなど

自然のことを知らないといけないんです。

実際、のあっくのスキースクールでは滑るだけじゃなくて、

動物のフンを探しに行ったり、足跡を見つけたら後を辿ってみたり…

こういうことをしていると、結果的に知らない間に

雪をつかむ足腰の強さが身に着いたりするんですよ」

 

単に「滑る」だけの指導法だと、滑れない子や体力がない子は苦手意識がついてしまいます。

でも、のあっく自然学校の『ほんまもん体験』には、

子どもたちの興味ややる気を引き出して『自分で考える力を養う』ことで、

結果的に『安全や体力・技術』を身に付けています。

 

ほかにも、チラシを見てて気になったんですけど…

『びわこ一周キャンプ』ってどんなことするんですか??

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「1周が210kmもある琵琶湖を3日間ひたすら自転車をこいで進むだけです。

楽しいプログラムなんてないですよ(笑)

でも過酷な分、子どもの成長が一番見れるキャンプなんです」

 

「対象となるのは、20インチの自転車が乗れる子ならOK。

子どもによって体格が違うから、年齢で設定はしていないんです。

1日に進む距離は長くて110kmくらいかな。

大変なようだけど、過去5年間実施してきて、今までリタイヤしたのは1人だけ。

それも腹痛によるもので、怪我とか精神的にとかではなくて。

 

ちなみに、その日の目的地に着かなければ、19時に強制ストップをかけるんです。

ストップしたところから目的地の宿泊場所までは一旦、車で移動するんだけど、

翌日ストップしたところから再スタートするかどうかは、

子どもたち同士が話し合って決めるんです。

実は、100%戻るんですけどね。だって戻らないと1周にならないから。

みんな1周したいって気持ちがあるんですよ」

 

のあっく自然学校では、こうした冒険教育だけでなく、

服をたためる、脱いだ靴をきれいにそろえるなどの生活面も重視しているそう。

『ほんまもん体験』+プログラムを通じて、子どもたちに大切なことを伝えている結果が、

子どもたちの『生きる力』に繋がっているのだと感じました。

 

≪取材≫ 岡田 ≪撮影≫ 北原